− 神々の宴 −

豊雲野神

(とよぐもぬのかみ)

『古事記』では豊雲野神、『日本書紀』では本文には豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)、一書(第一)に豊国主尊(とよくにぬしのみこと)、別名として豊組野尊(とよくむののみこと)、豊香節野尊(とよかぶののみこと)、浮経野豊買尊(うかぶののとよかうのみこと)、豊国野尊(とよくにののみこと)、豊齧野尊(とよかぶののみこと)、葉木国野尊(はこくにののみこと)、見野尊(みののみこと)の名がみえる。

神名の意味はトヨは大きい、クモは籠る、組むに置き換えられる字で、よせ集まり固まるの意。大地創世の時に、浮脂の如く漂っていたものが、次第に固まる状態を表した神ということであろう。

『古事記』では「造化三神」といわれる天之御中主神高御産巣日神神産巣日神が最初に出現したとなっているが、『日本書紀』では国常立尊国狭槌尊に続いて生まれた三番目の神として記されており、この三柱の神は陽気だけをうけて、ひとりでに生じられた。だから純粋な男性神であったとある。この『記紀』の違いは、『古事記』が高天原に神々が出現したことから世界が始まるのに対して、『日本書紀』は国土出現に重点を置いている違いによってあらわれたものと思われる。

同時期に生まれた国之常立神宇比地邇神須比智邇神角杙神活杙神意富斗能地神大斗乃弁神淤母陀琉神阿夜詞志古泥神伊邪那岐命伊邪那美命と並んで「神世七代」と称される。

豊雲野神を祀る主な神社
熊野速玉大社(第九殿)(和歌山県新宮市)